(712)鹿のなくさよならを言えない夜に/榎本佳歩(2005年~)
「なく」という字にはいろいろある。「鳴く」「泣く」「啼く」「哭く」。この句の場合には、漢字にして答えを示してしまわない良さがある。「さよならを言えない夜に」だけならJ-POPの方が向いているかもしれないが、やはり「鹿」が出てきたところが俳句の味わい。神の使いともされる鹿の鳴き声は、俳句歳時記の世界…
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