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海難事故なくそう 石巻の釣り愛好家団体、多発期に合わせ講習 安全意識高める

講師の笠原課長(中央)から縄ばしごの作り方を教わる参加者ら

 石巻地方の釣り愛好家でつくる「石巻トローリングクラブ」は、マリンレジャーの事故が増加する秋を迎え、海難防止講習会を石巻市重吉町の県トラック協会石巻支部で開いた。参加者は、救命胴衣の着用法や縄ばしごの作り方を実践で学ぶなど、事故防止への意識を高めた。

 同クラブの会員ら約40人が参加。宮城海上保安部交通課の笠原司課長らが講師を務め、県内の海難の発生状況を説明した。

 過去5年間、県内ではマリンレジャーのうち釣り中の事故が最も多く、秋の時期に多発し8割以上が海中転落という。冬季は海水温が低いため、転落すること自体が危険で、万が一転落した際は、浮くことと海から出ることが大切だと強調した。

 その後、救命胴衣の正しい着用方法と縄ばしごの作り方を、グループになって実践で学んだ。救命胴衣はそのまま使える固型式と、ボンベを用いて膨らます膨張式があり、海上保安庁は手入れが簡単で膨らます必要のない固型式を勧めている。縄ばしごは、事前に作っておくことで、海中に転落した際に船に上がるための助けになる。

 普段船釣りをするという石巻市大街道の山口裕康さん(50)は「縄ばしごの作り方を初めて知った。海だけではなく陸でも活用できる」と語った。

 講習会は9月24日に開かれた。クラブの須藤弘三会長(77)は「膨張式救命胴衣が膨らむ様子を初めて見た。あれだけでも参加者みんなの意識が変わったと思う。安全意識が高揚し、有意義な講習会だった」と話した。

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