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震災伝承、観光資源に 留学生対象モニターツアー、東松島で開催 年内にも商品化

留学生に震災発生時の様子を伝える山縣さん(左)=東松島市野蒜の市震災復興伝承館

 一般財団法人「3.11伝承ロード推進機構」(仙台市)は18日、東北大で災害関連分野を学ぶ留学生5人を対象に、東日本大震災で被災した東松島市野蒜地区を巡るモニターツアーを実施した。見学場所や説明方法などに留学生の視点を取り込み、外国人観光客向けのツアーとして年内にも旅行商品化を目指す。

 ツアーは座学の後、津波で被災した住民らが集団移転した野蒜ケ丘団地や伝承施設などを巡った。案内役を務めた住民で防災士の山縣嘉恵さん(55)は「津波が来るまで時間がある」と思い込んでいた当時を振り返り「すぐ高台に逃げ、決して戻ってはいけない」と強調した。野蒜地区の復興事業も紹介した。

 フランス出身で土木工学を専攻するメラニー・マッソンさん(20)は「現地を巡ることで、単なる数字ではなく実際の出来事としての重みを感じた。日本語がもっと分かれば展示や資料が深く理解できたと思う」と振り返った。

 推進機構は留学生へのアンケートを基にツアーの改善を図り、12月ごろに近畿日本ツーリストの旅行商品として販売する予定。原田吉信理事は「学びや研修だけでなく、観光資源として磨く必要がある。被災地に人を呼び込み、訪れた人に一つでも気付きがあればいい」と話した。

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