巨大壁画、新作輝く 3、4作目の完成祝い祭り 石巻・雄勝
石巻市雄勝町の防潮堤に巨大壁画を描く「海岸線の美術館」プロジェクトの3、4作目が完成し、22日に祝いのイベント「雄勝壁画まつり」が開かれた。出店やバンド演奏など多彩な催しがあり、市内外から訪れた観光客でにぎわった。
壁画は東京都の芸術家安井鷹之介さん(30)が制作した。新作は、上雄勝地区の防潮堤をキャンバスに地域のお裾分け文化を描いた「GOLDEN TWILIGHT」(高さ7.5メートル、横10.2メートル)と、名振地区に伝わる火伏せの伝統行事・おめつきを描いた「BIG CATCH」(高さ6メートル、横30メートル)。
制作で石巻に滞在中、地域住民から受けた食材支援や要望に着想を得て約2カ月で仕上げたという。「魚介や野菜などを毎晩のように分けていただいたすてきな町。この絵が町の当たり前の風景になってほしい」と話す。
会場では石巻産のサツマイモやカキを使った芋煮200食が振る舞われた。高所作業車から壁画を鑑賞するツアーなどもあった。
親子で訪れた石巻市さくら町の無職阿部加代子さん(75)と仙台市の会社員鎌倉紗紀子さん(44)は「素晴らしい絵でこの場所にぴったり」と笑顔で話した。
壁画制作を企画する「海岸線の美術館 SEAWALL MUSEUM OGATSU」の高橋窓太郎館長は「海岸線を豊かにしていきたいと活動を始め、応援のおかげで今日を迎えられた。少しでも描き続け町全体を美術館にしていきたい」と構想を語った。
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