女川法印神楽保存会の中学生会員、伝承に力 29日、祭りで披露 石巻・北上
石巻市北上町の女川法印神楽保存会(会員12人)で、中学生男子2人が活動している。2人は「自分が舞うことで見た人から拍手をもらえるのがうれしい」とやりがいを感じている。
19日夜、太鼓と笛の音が響く北上中体育館。29日のイベントに向け、2年岸浪源さん(14)と阿部蓮さん(13)が節の付いた言い回しのけいこを繰り返していた。今は週2回、月曜と木曜の夜に練習に打ち込む。
2人が活動を始めたのは今年4月。岸浪さんは「衣装が色鮮やかできれい。舞を見てくれる人がいるので続けていきたい」と話す。阿部さんは「今のダンスよりも丁寧で、緩急のある動きがかっこいい。まだ自分が分からない動きも完璧にできるようになりたい」と向上心を燃やす。
岸浪さんが毎年4月に神楽を奉納する町内の釣石神社の宮司である祖父から誘われ、友人の阿部さんに声をかけた。29日には石巻市北上町十三浜で開かれる「北上にっこり祭り」で演目「初矢」を上演し、2人に加え小中学生も出演する。
保存会は500年以上前から舞われているとされ、1983年に市指定無形民俗文化財(民俗芸能)の指定を受けた。9月3日には同市北村の遊楽館で行われた第44回石巻地方神楽大会に出演した。
保存会の佐藤喜美男会長(68)は「会員の一生懸命な姿が子どもたちの興味につながった。2人が地元にいるうちは、今後も熱心に教えていく」と語った。
保存会は4年前からPTAと連携して北上小と北上中の子どもたちを対象に神楽教室を開き、後継者の育成にも努めている。
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