三陸道・桃生豊里-登米間、4車線化を要望 石巻・桃生総合支所で「動く市長室」
石巻市の斎藤正美市長は25日、三陸沿岸道桃生豊里-登米インターチェンジ(IC)間の4車線化を求める要望書を東北地方整備局に提出したと明らかにした。石巻港の活用促進や市が桃生豊里IC周辺に造成を目指す産業用地への企業誘致に弾みをつける狙い。斎藤市長が、同市桃生総合支所であった市民との意見交換会「動く市長室」で説明した。
市によると、要望書は東松島、登米両市長との連名で、斎藤市長らが18日に仙台市で山本巧局長に手渡した。27日に国土交通省にも同様の要望を行う。
同区間は現在、片側1車線。三陸沿岸道と東北道をつなぐ復興支援道路「みやぎ県北高速幹線道路」の開通により交通量が増加し、事故の多発や渋滞の発生が課題となっている。要望書では道路維持コストを考慮した有料化も視野に入れ、早期の4車線化実現を求めた。斎藤市長は「片側2車線化が進めば石巻港の利活用が進む。産業用地への企業誘致への呼び水にもなる」と期待を寄せた。
斎藤市長は産業用地への企業誘致活動についても触れ、首都圏の企業などに訪問活動を展開していることを報告し、「立地までには至っていないが、セールスを重ねることが大事。チャンスを逃さないようPRを続ける」と述べた。
市は、桃生豊里IC南側の丘陵地計6カ所を産業用地候補に選定。企業の意向を整備に反映させるため、立地決定後の造成を計画している。
桃生中生4人、行政の仕事に理解
25日に石巻市桃生総合支所であった「動く市長室」は、職場体験学習として桃生中2年生4人が見学した。
「桃生に遊具のある公園を整備してほしい」「乗客は少ないが、住民バスは廃線にしないでほしい」。要望を寄せた住民と斎藤正美市長とのやりとりを生徒たちは真剣な表情で聞いた。
動く市長室の前には4人と斎藤市長との座談会もあり、市長の仕事や行政の役割に理解を深めた。
狩野倭吹さん(14)は「市長が一般市民の意見も聞いているのは意外だった。地元の課題や市の仕事を知るきっかけになった」と振り返った。
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