伝統の神楽、舞い継ぐ 二子団地で北野神社奉祝祭 中学生と保存会、11演目奉納
石巻市長面地区にある北野神社の奉祝祭が24日、東日本大震災で多くの地区住民が移り住んだ同市二子団地の二子東絆会館であった。長面地区の出身者ら多くの住民が集まり、伝統の神楽を見守った。
神楽は昼、夜の部を合わせて11演目が奉納された。釜谷長面尾崎法印神楽保存会と北上町女川法印神楽保存会の会員計約10人が演じた。
昼の部には地元の中学生も出演。3演目で舞った同市北上中2年の岸浪源さん(13)は「緊張したが、無事に踊り終えることができて良かった」と語った。
夜の部では、四季の神々が争う「所望分(しょもうわけ)」や、目に見えない災いをスサノオがはらう「鬼門」などが演じられた。竜神から王子を救う「産屋」では、二子地区と針岡地区で今年誕生した子どもが王子役として出演し、会場は笑顔に包まれた。竜神役は舞台上部に上り全体が激しく揺れるほどのアクロバティックな演技を見せ、観衆から歓声が上がった。
釜谷地区出身で同市桃生町寺崎の無職大沼正元さん(73)は「祭りには神楽が必要。こういう文化が継続していってほしい」と話した。長面地区出身の70代女性は「小さい頃、お小遣いをもらって神楽を見に行くのが楽しみだった。笛と太鼓の音がすると今でも浮き浮きしてしまう」と笑顔だった。
高橋範英宮司は「天候に恵まれ、多くの人に見ていただき感慨深い。今年1年を健康に過ごし、来年も神楽を見に来てほしい」と語った。
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