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日常の大切さ感じて 旧大川小で犠牲、鈴木君の着ていたジャンパー展示 MEET門脇

妹のランドセルの隣に展示された堅登君のジャンパー

 東日本大震災から12年8カ月の月命日となった11日、石巻市門脇5丁目の伝承交流施設「MEET門脇」で、津波で犠牲になった同市の旧大川小6年鈴木堅登(けんと)君=当時(12)=のジャンパーの展示が始まった。施設内では堅登君の妹で行方不明のままの4年巴那(はな)さん=当時(9)=のランドセルが7月から展示されている。

 11日は母実穂さんや父義明さんらが震災当日に着ていた「けんとくんのジャンパー」を「はなちゃんのランドセル」の隣に据えた。堅登君が小学3年の時に書いた作文「お兄ちゃんは、大へんだ」も展示。兄妹のやりとりやそれぞれの性格など、当時の日常をうかがい知ることができる。

 2012年に堅登君のジャンパーを発見した時、袖はちぎれており、巴那さんの行方を捜していた19年6月に袖口が見つかった。実穂さんは「巴那を探す中で堅登の物が見つかった。子どもと向き合って、最後までやり通せというメッセージだと思った」と振り返る。

 展示は3月までの予定。来年1月下旬には東京の防災体験学習施設「そなエリア東京」での展示が計画されている。

 実穂さんは「展示は文章よりもリアルに感じられる。大川小について知り、足を運んでもらえるきっかけになればいい」と話した。

 施設を運営する公益社団法人3・11メモリアルネットワーク(石巻市)の中川政治専務理事は「被災に現実味を持ってもらうことは難しい。当時の実物を間近で見て、自分ごととして考え、日々の暮らしの大切さを感じてほしい」と語った。

 旧大川小では津波によって児童・教職員計84人が犠牲となった。

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