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赤井官衙遺跡の発掘調査 最大規模の倉庫跡など見つかる あす、現地で説明会

赤井官衙遺跡で見つかった最大規模の倉庫とみられる建物跡

 東松島市教委は18日、同市赤井の「赤井官衙(かんが)遺跡」で実施している発掘調査の説明会を現地で開く。9月5日に始まった調査で、過去最大規模の倉庫とみられる建物跡や竪穴建物跡、器などの遺物が見つかった。今回の調査は11月末まで続く予定。

 最初の調査は1986年に行われ、今回で107回目。遺跡の重要地区である館院2地区外側の南西部で実施し、2021年調査で見つかった倉庫とみられる掘っ立て柱建物跡の範囲が、南側に広がることが分かった。建物跡全体の大きさは南北8.8メートル、東西6.3メートルとなり、赤井官衙遺跡で発見され、倉庫と考えられる建物跡で最大。

 竪穴建物跡は21年に発見された遺構を含めて3棟を確認し、建物の詳細や時期を調べている。遺物は須恵器や土師(はじ)器などが見つかった。学芸員の重森直人さん(39)は「今回の調査では重要地区以外で最大規模の倉庫跡が見つかった。まだ調査できていない場所にも重要な物が眠っている可能性がある」と話す。

 赤井官衙遺跡は約1300年前の陸奥国牡鹿郡(現在の石巻地方)の役所「牡鹿郡家(ぐうけ)」や、軍事施設の城柵「牡鹿柵(おしかのさく)」の跡とみられている。赤井官衙遺跡と官人の墓所「矢本横穴」で構成される官衙遺跡群は21年に国の史跡に指定された。

 説明会は午後1時半~2時半。申し込み不要。発掘現場に駐車場はなく、参加者は近くの上区生活センター駐車場を利用する。

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