(754)白菜を括りし紐の解けがち/染谷秀雄(1943年~)
白菜の旬は冬。アツアツの鍋には欠かせないし、新米を白菜漬けでくるっと巻いて食べるのはたまらなくウマい。掲句から私は叔父の畑を思い出した。そういえば畑の白菜はぐるっと紐(ひも)で縛ってある。何となく寒さ対策なのかなと思っていたが、ああやって縛って冬を越させることで白菜は甘みを増すのだそうな。さてこの…
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「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。