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半島沿岸部の石巻市営住宅 収入超過者の家賃割り増し分、減免へ 水産業など担い手確保

水産業の担い手などの受け皿になっている半島沿岸部の災害公営住宅団地

 石巻市は東日本大震災の復興事業で整備した半島沿岸部の災害公営住宅などで、収入超過世帯の家賃の割り増し分を減免する方針を決めた。家賃の高騰による入居者の他地区への流出を防ぎ、水産業や地域の担い手確保につなげる狙い。11日開会の市議会12月定例会に関連議案を提出する。

 対象は雄勝、北上、牡鹿、荻浜の4地区の災害公営住宅を含む市営住宅。世帯の所得月額が15万8000円を超えた場合、入居4年目から段階的に割り増しされる家賃を減免する。

 市街地と異なり、半島沿岸部は近隣に民間賃貸住宅がなく、退去は地区外への転出に直結する。市議会2月定例会では、雄勝地区に移住した漁業者の家賃を月額4万2000円から16万3400円に引き上げる通知が届いたことが取り上げられ、市が支援策を検討する考えを示していた。

 本年度は条例規定の「市長が特に必要と認めるもの」を適用して減免を実施した。対象は11世帯で、減免額は1000円台から10万円ほどだった。

 市住宅課の担当者は「経済的だけでなく、住宅そのものがない場合も公営住宅の趣旨の『住宅困窮者』と言える。減免が定住促進と地域活性化につながってほしい」と話した。

 対象4地区では10月末現在、市営住宅計395戸のうち355戸に入居し、入居率は89.8%となっている。

 市は市営住宅の入居条件に関しても、雄勝、北上、牡鹿の3地区で2022年3月、収入要件を拡大する「みなし特定公共賃貸住宅制度」を導入。入居世帯の所得上限を月額15万8000円から48万7000円に引き上げた。10月末には対象地区に荻浜地区も追加した。これまで雄勝、牡鹿両地区で2件ずつ利用実績がある。

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