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いしのまき食探見 > カボチャ 味わい多彩、冬至の主役

収穫したカボチャを丁寧に磨く石牧さん。さまざまな品種を栽培している
素焼きなどシンプルな食べ方がおすすめ。薄くスライスしても素材の味を十分楽しめる

 海と山とで育まれる豊かな石巻地方の食材。伝わる文化と技を生かした郷土の「食」を紹介する。

カボチャ

 二十四節気の「冬至(とうじ)」が迫り、日の出から日没までの時間が短くなった。寒さも厳しさを増し、冬至に欠かせないカボチャが食べたくなってきた。

 カボチャはビタミンやカロテンといった栄養が豊富。ハロウィーンの時期や冬に食べるイメージが強いが、収穫は主に夏で、秋にも行われる。石巻市内では桃生地区特産の「桃生かぼちゃ」があり、栗以上と言われる強い甘みで人気を集める。

 そんなカボチャに魅力を感じて農家の道を選んだのが、2019年秋に横浜市から移住した石牧紘汰さん(29)。一般社団法人イシノマキ・ファームの職員をしながら、石巻市北上町十三浜に「あぼーぼら・いしまき農園」を開き、22年春から生産に励む。

 農園では約30品種を育てている。ハウスを訪れた際に、レンジで温めるだけでおいしく食べられる「ダークホース」や、スーパーではあまり見かけない、ひょうたん形の「バターナッツ」などを紹介してくれた。

 今季は雨が少なかったり、強風で葉が痛んだりと苦労もあったが、石牧さんは「満足いくものができた」と笑みを見せる。品種や味については「ねっとりした食感が好きな人もいれば、ほくほくしたものを好む人もいる。たくさん食べて好みの品種を見つけてほしい」と話す。

 食べ方は素焼きや炊飯器で温めるといったシンプルな方法がおすすめだという。カボチャを容器にし、実をほぐしながら食べるカレーも教えてくれた。味比べを楽しみながら冬本番に備えたい。(大谷佳祐)

<メモ>
 スーパーなどでカボチャを購入する際は全体が濃い緑色で、重量感があり形が整っているものや、ヘタが大きいものを選ぶのがおすすめ。石牧さんが手がけるカボチャは石巻市桃生地区のカフェ「ユーカリ」で味わえるほか、購入もできる。

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