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ICT活用 助け合う学びで意欲喚起 石巻・鹿又小、算数の授業を自主公開

タブレットを活用した鹿又小の学び合いの授業

 石巻市鹿又小(児童307人)は8日、情報通信技術(ICT)を活用した「個別最適な学び」と「協働的な学び」を一体的に進める算数の授業を自主公開した。子どもが学び合う時間を十分確保し「分からないから教えて」と言える助け合う授業を実施。主体的に学ぶ意欲を喚起し、学習内容の定着にもつながった。

 同校は教師主導の一斉授業を構造的に改善し、授業後半に子どもたちが話し合って学び合い、課題を解決する「アウトプットの時間」(浦山正幸校長)を25分設定しているのが特長。この時間は学習内容を定着させる「適用問題」に取り組み、1人で集中したり、グループで勉強したりと学び方を選択できる。

 自主公開には、市内をはじめ、大崎市や岩沼市、松島町など県内の小中学校などから関係者約20人が来校し、6年1組(27人)の「反比例のグラフの書き方を考えよう」の授業を参観した。

 授業前半の15分は、教師が「(単元の)一番大事な考え方を教える」形で進め、後半に子どもに学びを委ねる25分、学習内容を確認する5分の時間を設けた。学び合いに入る前に(1)全員でゴール(2)誰一人見捨てない(3)「教えて」と自分が言う(4)教えることは学び-の約束事を唱和した。

 適用問題は教科書の問題、ドリル問題(全員でゴールの目標)、タブレット端末を使った人工知能(AI)ドリル、プリント、ドリル問題、自習の順で進めた。子どもたちは自由な進度で学び、分からない人にはサポートに入る場面が随所に見られた。全員で目標をクリアし、その先の段階に進んだ人たちもいた。

 三浦栞奈さん(11)は「『教えて』と言うことが大事。分からないことを友達に聞いて解決できるのがいい」と話した。

 市教委の佐久間健悦指導主事は「助け合う授業を通じて、将来、人とかかわり課題を解決する力に結びついてほしい」と期待する。

 浦山校長は「教師主体の授業から子ども主体の授業に切り替えることで、学びの意欲が高まる」と語り、今後もこの授業スタイルを磨いていく。

 4月の本年度全国学力テストで、鹿又小は国語と算数の平均正答率が全国1位の石川県(国語72%、算数67%)と同じだった。

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