書道や木工、石巻地方各地で体験会 親子ら参加 「難しいけど楽しい」
筆字で書く面白さを味わったり、木を材料に手作りのクリスマスツリーを作ったりする体験会が石巻地方で相次いで開かれた。参加者は、完成形を思い描き取り組む創作の楽しさを感じながら打ち込んでいた。
上手な筆運びのコツ教わる 雄勝・道の駅
石巻市雄勝の道の駅「硯上の里おがつ」で24日、雄勝硯(すずり)を使って書道に親しむワークショップが開かれた。約60人が参加し、書き初めの課題に取り組んだり、ポストカードに筆で文字や絵を描いたりして楽しんだ。
書き初め体験では、小学生らが「大成」「日光」などの文字を半紙に練習した。千葉県在住の書家高尾剋山人(こくさんじん)さん(57)が講師を務め、一人一人に手本を書きながら筆の運び方や力の入れ方、字の大きさなどをアドバイスした。
ポストカード作りでは、普通の黒墨の他に、赤紫色や深緑色など5色の色墨を使った制作を体験。紙に家族の絵や「クリスマス」の文字を書き、毛筆に親しんだ。
書き初め体験をした飯野川小5年三浦武琉(たける)君(11)は「墨が垂れたり、失敗することもあるけど頑張って書いている。難しいけど楽しい」と笑顔を見せた。
ポストカード作りをした富谷市の会社員横江亜美さん(26)は「石の硯を使うのが初めて。頑張ろうと思えるので(制作への)モチベーションが高まる」と話した。
高尾さんは昨年同道の駅で書展を開いた際に展示した作品「一期一会」を寄贈した。今年7月には短冊に筆で願い事を書く七夕ワークショップに講師として招かれた。「鉛筆との違いを体験し、筆で字を書く面白さ、楽しさを伝えたい」と語る。
のこぎり使い、木工に親しむ 東松島
東松島市矢本の千葉工務店は23日、金づちやのこぎりを使ってミニクリスマスツリーなどを作る親子木工教室を同市小松の矢本西市民センターで開いた。
教室には6組15人の親子らが参加し、職人からかんななどの道具の使い方や構造を学んだ。子どもたちは実際に道具を使い、丸太を切ったり、木を削ったりした。苦戦しながらも切り出した木材はやすりをかけ、ツリーやコースター、まな板に仕上げた。
兄弟で参加した矢本東小6年の佐藤健太郎君(11)は「かんなで削るのは難しかったけれど、かつお節みたいなのが出てきて楽しかった」。弟で同小3年の奏太君(8)は「(作った)ミニクリスマスツリーは家に飾る」と笑顔で話した。
同店は県が推奨する「みんなで広げる『木育』活動推進事業」に賛同し教室を始め、今年で3年目。千葉大作社長(39)は「木に触れて、身近ではない物を身近に感じるリアルな体験をしてもらいたい。知ることで大工を目指すきっかけになれば」と話した。
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