(780)煤逃(すすにげ)のおいてけぼりもまたよけれ/大石悦子(1938~2023年)
「煤逃」は、年末の大掃除として家のほこりを掃き清める「煤払(すすはらい)」を手伝わずにどこかに出かけてしまうこと。俳句では煤逃をした人のことが描かれることが多いが、掲句は逆。「おいてけぼり」にされたほうは憤慨するかと思いきや、「またよけれ」とこちらが一枚上手のようだ。煤払を早々に引き上げて、おいし…
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「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。