(785)疲れ切つてただの正月迎へけり/矢部榾郎(1882~1964年)
作者は1922(大正11)年創刊の須賀川市の俳誌「桔槹(きっこう)」の創立同人の一人。古俳諧研究者で「福島県俳人事典」や「たよ女全集」などを刊行。俳句を24歳から始め、亡くなるまでの作品は6万7千余句。<梅雨晴や久遠の銀河まのあたり>など、その凛(りん)とした俳句と風貌から古武士のようと言われた。…
関連リンク
- ・(784)新年や日向の平ら踏みしめて/河内静魚(1950年~)
- ・(783)ぬばたまの閨かいまみぬ嫁が君/芝不器男(1903~1930年)
- ・(782)年惜しむとは糖分を摂りすぎる/池田澄子(1936年~)
- ・(781)パセリ水揚げて歳暮の波となる/蓬田紀枝子(1930年~)
- ・(780)煤逃(すすにげ)のおいてけぼりもまたよけれ/大石悦子(1938~2023年)
「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。