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御神火、静かに合掌 石巻でどんと祭 息災祈る

1年の無病息災を祈り手を合わせる人々たち
祈願札やちょうちんを手に歩く「裸参り」参加者ら

 小正月の伝統行事「どんと祭」が7日、石巻市内の神社などであった。市民は燃え上がる御神火に手を合わせ、1年間の無病息災を祈った。

 同市住吉町1丁目の大島神社には、両手に正月飾りを抱えた市民が大勢訪れ、繭玉や縄飾りなどを炎に投げ入れると、静かに手を合わせた。

 同神社では、たき上げ場を境内下の北上川河岸堤防に設置し、午後4時に点火。たき上げは深夜、市民の足が途絶えるまで続いた。

 火の前で長く手を合わせていた同市中央2丁目の和知ウメさん(83)は「能登半島地震は東日本大震災を思い出して涙が出る思いだった。健康に気を付けていい年にしたい」と話した。

<被災地に心寄せ、裸参り>

 小正月の伝統行事「どんと祭」に合わせ、恒例の「裸参り」が7日、石巻市の中心部であった。白装束姿の一行が家内安全や無病息災に加え、能登半島地震の早期復興や戦争終結を祈りながら練り歩いた。

 「石巻裸参りの会」が主催し、女性10人を含む27人が参加。先頭に「雲外蒼天」と書かれた祈願札を掲げ、ちょうちんや鐘を携えた。「どんな試練も努力し乗り越えれば、快い青空が望める」という意味だ。

 午後6時、中央2丁目の八幡屋を出発。かわまちオープンパークで開かれた成人を祝うイベントを経由し、羽黒山鳥屋神社で安全を祈願。JR石巻駅前、立町通りを練り歩き、北上川の堤防を通って住吉町1丁目の大嶋神社に向かった。

 初参加した東松島市大曲の会社員畠中のぞみさん(41)は「能登半島地震で被災された人たちに一日でも早く元気になってほしいという気持ちで歩いた」と話した。

 昨年に続いて参加したウクライナ人のシェプノフ・ヴィタリィさん(45)は「日本人と一緒に伝統的な文化に触れると、自分も日本人でいるような感覚になる。私の国には地震や津波がない。自然災害が起こらないように、戦争が早く終わるように祈った」と語った。

 裸参りは今年で19回目。毛利壮幸代表(56)は「体が寒さに慣れていないからか例年より寒く感じた。一人一人の健康を第一に、世界で起きているさまざまな不安定な状況が少しでも良くなるよう願った」と話した。

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