(791)一月の川一月の谷の中/飯田龍太(1920~2007年)
厳冬の谷を流れる一筋の川。書き記されたこの句の真ん中に縦線を引けば、見事に左右対称であり、字面からは深い谷と川が見えてくる。年の始めの「一月」の効果もあり、単純化の極みのような句だ。龍太の自解によれば、この川は家の裏を流れる狐(きつね)川のこと。私も訪ねたことがあるが、山里の細い川である。それでも…
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「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。