(794)日没はいづこの日の出かいつぶり/南十二国(1980年~)
冬の夕暮れ時、沼のほとりに佇(たたず)んでいると、かいつぶりが1羽水中に潜った。かいつぶりは水中でどんな景色を見ているのだろうか。もしや地球の裏側の世界か。地球上では、こちらの日没はどこかの日の出。自分の一日の終わりは誰かの一日の始まりになる。そう考えると、切れ間のない営みのバトンリレーをしている…
関連リンク
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「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。