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震災復興から途上国支援へ 坂本さん夫婦、海外協力隊員に 女川で出会い結婚

須田町長(中央)と記念撮影をする卓也さん(左)とあやめさん

 東日本大震災からの復興に向けて歩む女川町で出会い、結婚した夫婦が2月、国際協力機構(JICA)の青年海外協力隊員として開発途上国にそれぞれ赴く。派遣先はアフリカと中米に分かれ、活動期間は2年間に及ぶが、2人は「協力隊という共通の経験を持つことで、これからの生活を豊かにしたい」と意欲を見せる。

 2人は大阪市の坂本卓也さん(42)と妻のあやめさん(29)。卓也さんはアフリカ南東部の島国マダガスカル、あやめさんはカリブ海のドミニカ共和国に派遣される。

 卓也さんは大阪市出身で、高校時代に卓球で全国3位になった実力者。釣り専門誌の記者やモロッコへの協力隊派遣などを経て2013年11月、復興庁の復興支援専門員として女川町に赴任した。町広報誌の制作やPR動画の企画・制作などを担い、復興に向かう町の姿を発信した。

 専門員退職後の19、20年は協力隊としてインドに派遣され、子どもたちに卓球を指導した。3カ国目となるマダガスカルでは、ナショナルチームのコーチを務めるという。

 あやめさんは新庄市出身。大学生だった15年に町内のNPO法人「アスヘノキボウ」のインターンシップに参加した。町広報誌の制作を手伝う中で卓也さんと出会い、2人は20年に結婚。21年にはJR女川駅前のれんが道で式も挙げた。

 あやめさんは両親が協力隊の経験者だった。卓也さんからも現地での思い出などを聞き、途上国支援に関心を高めたという。ドミニカでは現地日系人の多世代交流に関わる。「着物を持っていき、着付けや盆踊りを教えてみたい」と話す。

 2人は10日、町役場を訪れ「女川はいつでも歓迎してくれる第二の古里」「派遣先の地域を元気にするため、自分にできることを精いっぱいやってくる」と感謝や抱負を語った。

 須田善明町長は2人との再会を喜び「活躍し、帰国したら町に報告しに来てほしい」と激励した。

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