石巻市らいつ10周年 子ども参加で運営、延べ25万人利用 「もっと楽しく」
18歳までの子どもや保護者らが自由に過ごすことができる石巻市立町1丁目の市子どもセンター「らいつ」がオープン10周年を迎えた。利用者は延べ25万人を超え、子どもたちが中心となって、施設を運営している。
21日の記念イベント「らいつの日010」は施設を利用する子どもたちが実行委員となり、ゲームや餅まきなどを企画。一日館長などの役職を割り当てた。OBやOG、元施設職員らを交えたトークショーでは、開所当時の思い出話や体験談を発表し、利用者と元利用者らが思いを共有した。
実行委員で石巻小2年の佐野スミレさん(8)は「らいつはみんなが集まって、にぎやかでけんかのない場所。子どもたち同士で企画を考え、もっと楽しくしたい」と話した。
館長の荒木裕美さん(45)は「東日本大震災をきっかけに子どもたちが意見を出し合って作った。子どもたちが生み出す力に街全体で注目してほしい」と語った。
20日の前夜祭では脱出ゲームやかるた大会などを楽しみながら、10周年を祝った。
「らいつ」は2014年1月に開所。昨年12月時点の利用者は延べ25万7149人に上る。
「こどもまんなか」、市が宣言
石巻市子どもセンター「らいつ」の10周年記念イベントの前には、斎藤正美市長が「子どもを生み育て、住み続けたくなるまち」の実現を目指す「こどもまんなか」宣言を行った。
市は2009年に県内で初めて「子どもの権利に関する条例」を施行。「子どもの権利の保障推進」「子どもの声や意見の発信」「子どもの居場所の拡充」の三つの柱を中心に取り組みを強化してきた。
宣言前には、どんな時に子どもの声を聞いてほしいか考えるワークショップもあった。施設を利用する子どもらが3~5人のグループになり、声を聞いてほしい場面や理由を考え、発表した。
社会人のOBは「世代が違うと関わりがない。大人になっても子どもの声が聞ける場所がほしい」と話した。
「進路やいじめで悩んだり、困ったりすることがあるが、親に相談できない時もある」をテーマに話し合った班では「友達など親以外に相談できる相手がいるといい」と発表した。
「やりたいことがあっても親に『お金がない』『わがまま言わないで』と言われる」という悩みを共有した班は「自由とは何か」について話し合った。
ワークショップに参加した斎藤市長は「貴重な意見やアイデアをありがとう。石巻で一生暮らせるように、皆さんと一緒に考えていきたい」と話した。
らいつが主催する「まきトーーーク」では、子どもたちが街づくりについて話し合う機会をつくり、斎藤市長に意見を伝えている。
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