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社会課題に挑む女性リーダーを表彰 CCJAに石巻・こども∞感ぱにー田中代表理事選出

草の根活動の女性リーダーの1人に選ばれた田中さん

 石巻市の認定NPO法人「こども∞(むげん)感ぱにー」の代表理事・田中雅子さん(55)が、草の根活動の女性リーダーをたたえる「第7回チャンピオン・オブ・チェンジ日本大賞(CCJA)」で、入賞者5人の1人に選ばれた。東日本大震災後、同市渡波中学区を拠点に展開しているプレーパークやフリースクールの運営といった、子どもの居場所づくりの取り組みが評価された。

 チェンジ日本大賞は、米ボストンに本部があるフィッシュファミリー財団が、誰もが安心して平等に暮らせる社会の実現に向け、日本で活動する「草の根の女性リーダー」に毎年贈っている。2023年は全国からあった約200件の推薦の中から、5人が選ばれた。

 田中さんは「これまでの活動を評価してもらいうれしい」と喜ぶ。

 東京都出身で保育士の田中さんは、復興支援のため11年3月下旬に石巻市入り。地域住民の声を受けて被災した渡波地区の広場を再生し、自由に遊べるプレーパークを開設した。現在は渡波地区で週3回、鹿妻地区で週1回定期開催するほか、移動型のプレーパークも展開している。

 不登校の子どもたちの居場所として、16年には鹿妻地区にフリースクール「ぽはっく」を開設した。一軒家を活用した家庭的な雰囲気の中で、小中高校生らが社会で自立していくためのサポートを行っている。23年度からは、市の委託を受け渡波地区放課後児童クラブの運営もスタートした。

 田中さんが重視するのは、子どもたちの主体性。「やってみたい」を尊重し、遊びや体験を通して創造力や社会性、自己肯定感など生きる力を育んでいる。

 貧困や虐待、不登校といった課題を抱える子どもたちの居場所づくりは重要性を増している。遊び場は子どものSOSをキャッチする場としての役割も果たすが、市内には児童館が市子どもセンター「らいつ」しかない。

 田中さんは「他団体とも連携し、行政や地域に子どもの声を届ける必要がある。子どもたちが安心して暮らせる地域を目指し、活動の輪を広げていきたい」と話す。

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