(802)枯木ことごとく阿修羅となりて立つ/遠藤若狭男(1947~2018年)
破調の句です。「枯木ことごとく」までを一気に読み下し、勢いがあります。裸木がそこここに立っていますが、作者には全てが仏教の守護神である阿修羅に見えてきたのです。阿修羅は戦いの神であり、憤怒の形相でも描かれますが、最も有名な興福寺の阿修羅像はわずかに眉をひそめ、物事を見抜こうとするような凜々(りり)…
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「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。