(804)マフラーを巻き寂しさを戒める/野名紅里(1998年~)
マフラーにすっぽりと顔を埋(うず)めると、それだけで沈んだ気持ちを寒さのせいに出来(でき)る気がする。心持ちは「必殺」シリーズの中村主水。マフラー1本で「孤独も自分で選んだ道でえ」「さ、これから仕事だ」と、ちょっと強くなったような気さえする。そんな人は私だけかもしれないけれど、人が何かを身に纏(ま…
関連リンク
- ・(803)約束はいつも待つ側春隣/浅川芳直(1992年~)
- ・(802)枯木ことごとく阿修羅となりて立つ/遠藤若狭男(1947~2018年)
- ・(801)白息を汽笛のやうに繰り返す/遠藤容代(1986年~)
- ・(800)薪(まき)をわるいもうと一人冬籠/正岡子規(1867~1902年)
- ・(799)流氷の軋み鏡は闇に立つ/小檜山繁子(1931年~)
「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。