(808)木の中の釘はしずかに青みたり/岩尾美義(1926~1985年)
無季の句で、感覚の句です。打ち込まれた釘(くぎ)が木材の中にあります。素材の圧力や組み合わされた全体の力がかかると思うのですが、釘が動いたり、ぐらついたりすることはありません。静止したまま木と木を繋(つな)ぎ、支えています。作者は釘の存在を感覚的に捉え、静かに青みがかっていくと表現しました。実際に…
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「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。