(811)日輪の一日見えて氷柱かな/茨木和生(1939年~)
雪が降り続く日は厚い雲に太陽が隠れ、なかなか日が差してきません。雪は野に積もり、道に積もり、屋根にしんしんと積もっていきます。一転して翌日、冬晴れとなるとさんさんと日光が降り注いできます。屋根の雪が解け、凍り、また解け…を繰り返して伸びていくのが氷柱(つらら)です。瞬間を詠むことの多い俳句ですが、…
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「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。