ヨーカドー撤退、石巻も 利用客「不便」「寂しい」 来年3月、ヨークが参画
セブン&アイ・ホールディングスは9日、傘下の総合スーパー、イトーヨーカドーが東北から撤退すると発表した。東北の8店舗のうち4店舗を同業他社に事業承継し、石巻市の石巻あけぼの店はセブン&アイ傘下のヨークベニマルが運営を引き継ぐ。ヨークベニマルは来年3月ごろ、石巻あけぼの店の運営に参画する予定。
セブン&アイが2023年3月に示した、運営会社のイトーヨーカ堂の事業を首都圏に集中する計画に基づく対応で、北海道と信越地方からも撤退する。今回を含め26年2月末までに93店舗まで減らす方針。16年2月末の182店舗から10年間でほぼ半減する。
ヨーカ堂の23年2月期決算は純損益が152億円の赤字で、3年連続の赤字となっている。
セブン&アイの広報担当者は「それぞれの店舗の収支状況などを踏まえ、閉店や事業譲渡を判断した」と説明。「地域経済への影響や雇用の維持、買い物の場の確保のため、可能な限り事業承継できるよう努めた」と述べた。
撤退方針の発表に、対象店の石巻あけぼの店の利用客からは「不便だ」「寂しい」などの声が相次いだ。
週1回程度、日用品や食料品を買いに来る女川町の60代無職女性は「徐々にイトーヨーカドーの閉店が進んでいる報道を耳にしていたが、石巻もだと聞いて驚いた。専門店が入っていて、店内が広く便利だった印象。好きな人たちにはつらいだろう」と話した。
買い物に訪れた石巻市蛇田の無職高橋洋子さん(71)は「仙台市泉区のアリオ仙台泉も閉店し、ここもなくなるんじゃないかと思っていた。なくなったら残念で寂しく、不便」と不安そうに語った。
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