石巻市議会、開会 「稼ぐ力」と防災強化 市長、人口減少対策に意欲
石巻市議会2月定例会が15日開会し、斎藤正美市長が2024年度施政方針演説をした。東日本大震災からの復興後の将来を見据え、人口減少の抑制と「稼ぐ力」の創出、災害に強いまちづくりを進める考えを示した。市は総額712億2000万円の24年度一般会計当初予算案(前年度比1.2%減)など33議案を提出した。
斎藤市長は「全ての世代が生きがいを持って活躍できるまちづくり」「人口減少対策と地域コミュニティ強化」など六つの重点施策を説明。「厳しさを増す財政状況を踏まえて健全運営に務め、社会、地域課題に取り組む。市民ニーズも踏まえた効果的、効率的な行財政運営を進める」と述べた。
国が物価高騰対策で実施する給付金事業などに対応する「臨時特別給付金室」や、妊娠期から子育て期まで包括的に支援する「こども家庭センター」を新設する方針も明らかにした。
予算案は、市総合運動公園内に整備予定の陸上競技場の地質調査業務委託料などに6922万円、同市東中里1丁目の県石巻合同庁舎跡地に造る東中里広場(仮称)の整備事業に1億6000万円、防災行政無線整備基本計画の策定業務委託料に1290万円を充てた。
条例議案では、民間資金活用による社会資本整備(PFI)方式を活用した事業推進に向けて審査委員会を設置する条例案などを提出した。
会期は3月19日までの34日間。2月22、26日に施政方針に対する質疑を実施する。一般質問は3月13~15、18、19日の計5日間。
施政方針要旨
<陸上競技場の整備推進>
スポーツ振興を通じて市民の健康増進に寄与するため、第3種公認を目指して市総合運動公園陸上競技場整備事業を推進する。
子どもから高齢者までが自由に憩える場として東中里広場(仮称)を整備する。施設が未整備の公園には遊戯、休養施設を設ける。
安全・安心なまちづくりでは、県の津波浸水想定や市地域防災計画の改訂を踏まえた津波避難対策緊急事業計画を策定し、必要な避難施設整備や防災サインの見直しを進め、地域防災力を向上させる。
民間の保育事業者の人材確保のため、保育士宿舎借り上げ支援事業を創設し、安心して子どもを産み育てられる環境をつくる。桃生地区の3小学校統合に向けては、学校施設保全事業として当面使用する桃生小校舎の保全を図る。
市内に住み、新たに正規雇用された人や1次産業従事者らを対象に、奨学金の返還を一部助成する制度を作る。企業の経営強化や新たな事業展開の促進に向けプロフェッショナル人材雇用助成金事業を創設する。
中心市街地の回遊性向上によるにぎわい創出を図り、「ベンチアート事業」としてマンガモニュメントと一体化したベンチを設置する。
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