COP28 東松島の東北大院生・成沢さん、パラオ代表として交渉 地域ぐるみで対策を
東松島市在住の東北大大学院生、成沢みくさん(25)が昨年11月、アラブ首長国連邦のドバイで開かれた国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)に、パラオ共和国の海洋環境アドバイザーとして参加した。今月9日に同市役所であった報告会で、気候変動対策に地域のコミュニティー単位で取り組むことの大切さを語った。
成沢さんは大学院の環境科学研究科博士課程に在籍し、海洋環境人類学や、環境倫理などを研究している。昨年7月、ハワイであったサマースクールに参加した際、パラオ共和国の大統領と交流。東日本大震災や、東京電力福島第1原発事故による海への影響について話した縁から、同国の海洋環境アドバイザーを務めている。
COPは、国連気候変動枠組み条約締約国が、気候危機への対応策を検討するために毎年開いている会合で、COP28には198カ国が参加。石油など化学燃料の在り方や各国の脱炭素への取り組み、自然災害による損失と損害について話し合った。成沢さんはパラオ共和国の代表として、海洋気候や沿岸生態系に関する交渉をサポートした。
COPの出席報告会で、成沢さんはパラオ共和国の排他的経済水域のうち80%に当たる59万平方キロメートルが、食料安全保障やサンゴ礁保護、資源管理のために海洋保護区になっていると紹介した。
「豊かな海や自然を守るために、島国にしかできない形で海との社会構築を考えなければならない。気候変動対策は、いかに形にしていくかが大切。自治体やコミュニティー単位での活動が必要になる」と強調した。
成沢さんは、同市の里海とのつながりを生かし、子どもたちの主体性を育む教育プログラムを提供する一般社団法人ODYSSEYの共同代表も務めている。
「今回の経験を生かし、次世代を担う子どもたちに自然を通じた活動で主体性を育んでもらうなど、東松島にも貢献していきたい」と話した。
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