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風渡る東松島の歌、完成 鹿嶋さんと市民が共作、言葉紡ぐ 演奏会でお披露目

曲を披露する鹿嶋さん(中央)とバンドのメンバー
手拍子をしながら曲を楽しむ観客たち

 東松島市小野地区出身のバイオリン奏者鹿嶋静さん(44)=東京=が市民らと作ってきた東松島の歌が完成した。タイトルは「風わたる青の国へ」。市民ら約50人がワークショップでアイデアを出し、東松島のイメージや幸せな生活を表す言葉を紡ぎ合わせた。

 市の心の復興事業として鹿嶋さんが計画、実施した。昨年7~12月に6回行われたワークショップには、年長児から70代までの住民や市内で勤務する人ら計約50人が歌詞作りに携わった。音楽や楽器に触れ、楽しみながら東松島のイメージを膨らませた。

 文節の頭文字を「あいうえお順」にし、「きらきらなうみ」「すなの彫刻」「のり かき」などのワードをちりばめた。50音順にしたのは東松島が少しずつ前進していってほしいとの思いを込めた。歌い出しは「青空 飛び立つ ブルーインパルス」だ。

 お披露目コンサートが11日、同市野蒜ケ丘2丁目のいろどりの丘であり、鹿嶋さんとバンドメンバーの4人が、「風わたる青の国へ」のほか、東松島を思って書いた曲を披露した。

 明るくポップなリズムをバイオリンが美しく表現。観客は手拍子したり、体を揺らしたりしながら聞き入った。

 コンサートは2回あり、第1部には市民ら約40人が訪れた。友人3人と訪れた同市大塩の自営業菊池好子さん(55)は「爽やかでさわさわと風が吹くような曲調が、東松島の海を表現しているようですてきだった」と笑顔で話した。

 曲は今後、鹿嶋さんが市内の保育所などで続けている演奏会で、子どもたちに歌ってもらい、レコーディングする予定だ。

 鹿嶋さんは「心が回復する時間は一人一人違う。悲しい思い出があっても、この曲が楽しい思い出の一つになってくれれば」と話した。

「風わたる青の国へ」

あ 青空 飛び立つ ブルーインパルス
い いつもかがやいている自分がいる
う きれいな海と
え 笑顔になれるように
お おだんごのようなでこぼこやま 
か 風がふいてゆれるすいめんと田んぼ
き きらきらなうみ
く くらしてみれば
け けんかもするけど
こ こいしくなる けしきとやさしいかぜがふく
さ ささやかな日常に
し 自然豊かな青い空と
す すきな子と すぱげてぃ すなの彫刻
せ 世界がつながる
そ そらとうみとだいち
た だれもがえがおになれる ここに店がほしい
ち ちいさな僕ら
つ つらい夜も
て 照らしてる
と 遠く離れた君のことも
な 泣きたくなったら
に 虹かかる うみとやま
ぬ 濡(ぬ)れたほほもおちる
ね ねえ とれたて野菜もおいしいよ
の のり かき うみ!
は はじまるよ
ひ ひとりじゃない
ふ 降りそそぐ星
へ 平和願う 竹あかり
ほ 蛍が住んでいる
ま まっすぐな かわ すいへいせん
み みんなでわらって みんななかよく
む 夢中で
め めざして
も もし ころんでも 大丈夫
や やっぱりいちばん
ゆ ゆけば 穏やかな海
よ よろこびあおう
わ わたる白い鳥 わたしのふるさと
を あるこうよ
ん ん~

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