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「愛の物語」に胸熱く 13作をフリーアナウンサー阿部さん朗読 三陸河北新報社

阿部さん(左奥)の情感あふれる朗読に耳を傾ける来場者

 石巻かほくに掲載された随想から「愛」をテーマに選んだ秀作を対象に、朗読会「愛の物語」が17日、石巻市千石町の三陸河北新報社1階かほくホールで開催された。約80人の市民が参加。フリーアナウンサー阿部未来さんが語り手を務め、家族や恩師との別れ、感謝などをつづった物語を情感たっぷりに表現した。

 朗読会は2部構成。1部で昨年11月に発行した随想集「つつじ野選 愛の物語 50話」に収録された5作、2部は昨年12月から募集、随時掲載している「読者の愛の物語」8作を阿部さんがピアノ曲に合わせて朗読した。

 「読者の愛の物語」では、東松島市矢本一中の生徒4人の作品が対象となり、母親から手のひらを指で押してもらうことで愛情を感じ、心が和らぐ様子を記した「母のおまじない」などが紹介された。

 石巻市中央の豆腐店経営林光次郎さん(68)の随想は難病で亡くなった妻をみとった体験を詳細に描写した。阿部さんの随想朗読に続き、林さんが最期を迎える妻の覚悟を詩的に表現した自作の歌をギターを弾いて歌った。心動かす朗読と歌に、思わず涙をすする来場者も多くいた。

 石巻市蛇田の無職渡辺桂子さん(78)は「いろんな経験をしている人がいると感じた。(矢本一中の生徒の作品は)新聞を読んで感動していた。14歳でも上手な文章が書けるんだなと感心した」と話した。

 朗読会は能登半島地震の被災者支援企画として会場受け付けに募金箱を設置し、協力を呼びかけた。

 「読者の愛の物語」は昨年12月下旬に募集を始め、これまで118件の応募があった。1月17日から随時掲載しており、1カ月で20作品が掲載された。今後も随時掲載する。

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