(825)十六歳は時限爆弾花ぐもり/大高翔(1977年~)
作者の10代の句です。私の学生の頃を振り返ると、気持ちがうまく言えなかったり、自分の寂しさに気付けなかったり、心に溜(た)め込むものがあったと思います。鬱屈(うっくつ)がいつか爆発しそうと、時限爆弾というのもよく分かります。花ぐもりとは桜が咲く頃の曇りのこと。美しい花を愛(め)でるのに、曇り空では…
関連リンク
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