機転利かせ、特殊詐欺を防止 石巻署が感謝状 ファミマ石巻南中里店、宮城赤井郵便局
石巻署は21、22の両日、特殊詐欺の被害を未然に防いだとして、石巻市のコンビニエンスストアと従業員、東松島市の郵便局と局員にそれぞれ感謝状を贈った。特異な動向を見抜き、機転を利かせて市民を守った行動をたたえた。
ファミリーマート石巻南中里店、手続き中止し通報
22日は石巻市南中里1丁目のファミリーマート石巻南中里店と、いずれもアルバイト従業員の石巻商高2年阿部沙亜弥さん(17)、20代男性に感謝状を贈った。
石巻署によると、同店で10日、30万円分の電子マネーカードを購入しようとした80代女性に阿部さんがレジで対応。女性が従来型携帯電話「ガラケー」で電話していたことを不審に思い、男性に相談して声をかけた。
女性は「携帯電話の未納料金があるので電子マネーカードで支払ってほしい」と架空請求詐欺の電話を受けており、阿部さんと男性は購入手続きを中止させて警察に通報し、被害を防いだ。
22日は阿部さんと同店オーナーの高橋大樹さん(40)が同署を訪れ、手島俊明署長から賞状を受け取った。阿部さんは「うれしい。今まで通り詐欺被害に気を付けながらレジ業務をしたい」と話した。高橋さんは「コンビニ店員が水際で止めれば詐欺被害は起きないと伝えてきた。引き続きスタッフ全員に周知を徹底して、被害を出さないようにしたい」と語った。
手島署長は「石巻市民を代表して感謝を申し上げる。今後とも被害者を1人でもなくすよう協力と支援をお願いしたい」と述べた。
宮城赤井郵便局、警察への相談促す
21日は東松島市赤井の宮城赤井郵便局と局員の小林裕さん(36)に感謝状を手渡した。
石巻署によると、小林さんは1月9日、来店した同市の30代女性からATMの操作方法を尋ねられた。女性は300万円分のポイントが使えなくなるという趣旨のショートメッセージサービス(SMS)を受け取っており「失効するポイントを引き出すための手数料1万円を振り込みたい」と話した。
小林さんは特殊詐欺を疑い、送金手続きを中止させ、警察に相談するよう促した。女性は翌日に同署へ相談し、署は特殊詐欺と断定した。
小林さんは「郵便局員ではあるけれど、お客さまから見たら私は赤の他人。助言を聞き入れて踏みとどまってくれたのがうれしかった。今後もお客さまとの会話の中で、おかしいなと思ったら積極的に話を聞きたい」と語った。
手島俊明署長は「重要なのは金額の多寡ではない。一つ一つの積み重ねが特殊詐欺をなくす。一人一人の優しい心配りが、社会を健全に明るくする第一歩だと思う」と感謝した。
署によると、今年はまだ管内で特殊詐欺被害は確認されていない。
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