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背景に不安、依存症の怖さ 元TOKIO山口さんが講演 石巻法人会主催

自身の体験を紹介しながら来場者と交流した山口さん

 公益社団法人石巻法人会は15日、特別講演会を石巻市千石町の石巻グランドホテルで開いた。人気グループ「TOKIO」の元メンバーで、アルコール依存症の危険性の啓発などに取り組む山口達也さん(52)が講師を務め、依存症の怖さや企業としての対策などを伝えた。

 山口さんは「ゼロからの再出発」と題して講演した。依存症について「我慢できない精神的な強迫観念と体の渇望現象」と説明。自身が医師から「一生完治しない病気」と宣告されたことを紹介した上で「医者からの宣告ではなく、自身で認めて初めて依存症者になる」と述べた。

 若い頃は楽しんで酒を飲んでいたが、瓶から直接飲んだり、気を失うまで飲み続けたりするようになったという。「楽しむために飲んでいたお酒を、いつの間にか酔っぱらうために使用してきた。自分がおかしい飲み方をしていると分からなかった」と当時を振り返った。

 2018年に芸能界を去り、20年にはオートバイの飲酒運転事故を起こした。専門病院を受診し、飲酒が止まらなかった背景には不安があったと感じたという。自分と他人と比べ、うらやましく思ったり、恨んだりするようになっていた。山口さんは、変えられない過去や他人を受け入れ、未来のために自分が変わったといい「自分を褒めつつ、今の自分に納得することが大事だ」と呼びかけた。

 会員企業の経営者や一般市民ら約300人が来場した。TOKIOのファンだったという石巻市門脇の介護員竹内美樹さん(59)は「いい話が聞けて良かった。起きてしまったことにふたをせず、受け入れているのが印象的だった。山口さんも人と比べて悩むことがあるんだなと感じた」と語った。

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