「子育て支える存在に」 学童保育の在り方探る 支援員ら、石巻で勉強会
「子どもにとって良い放課後児童クラブ」をテーマにした勉強会が石巻市開成の市複合文化施設(マルホンまきあーとテラス)であった。放課後児童クラブ(学童保育)の支援員や子育て支援関係者、一般市民ら35人が参加。講演を聞いたり、ワークショップで情報交換をしたりして、クラブ運営の在り方を学んだ。
一般社団法人あい和学童クラブ運営法人(埼玉県)の萩原和也代表理事が、クラブの運営について、国の方針や指定管理者制度の問題などを示しながら講演。「市区町村からの補助金を当てにしないことは運営路線の一つ。それでも支援が必要な場合は、規模を拡大させて安定性や財政力をつけることも大事」と述べた。また「存続してこそ子どもや保護者のために活動ができる。工夫して存続させ、地域の子育てを支える存在になってほしい」とエールを送った。
ワークショップでは「保護者対応」「いじめ」「支援員の仕事」の三つのテーマで分かれ、「保護者から愚痴のような不満を言われた」などの具体的な事例への対応を検討したり、クラブで起きたいじめについて参加者の経験を語り合ったりした。「保護者に包み隠さず全て伝えることでいじめを防ぐ」「保護者との信頼関係があれば多少問題があっても解決できる」といった意見が出た。
参加した障害者就労継続支援B型事業所「パーラー山と田んぼ」(石巻市前谷地)の利用者、千葉隆司さん(36)=登米市=は「子どもたちが学校と児童クラブ、親の前では顔が違うという話が印象的だった。今のいじめの実態や、子どもたちの育つ環境を知ることができた」と話した。
勉強会は今月12日にあった。昨年から今年1月にかけて行われたプロポーザルで、石巻市内の多くの放課後児童クラブが、シダックス大新東ヒューマンサービス(東京都)による委託運営が決まったことを受け、石巻市の放課後こどもクラブBremen(ブレーメン)が主催した。Bremenの宝鈴子理事長は「ワークショップで現場の声が聞けて良かった。(萩原代表の講演を聞き)地元の子どもたちのために持続し続けることが大切だとの気持ちを新たにした」と語った。
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