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女川原発に乾式貯蔵施設 東北電、自治体に設置方針申し入れ 使用済み核燃料保管

貯蔵施設の建設を須田町長(右)に申し入れた阿部所長

 東北電力は27日、9月ごろの再稼働を予定する女川原発2号機(女川町、石巻市)で、使用した核燃料を一時保管する「乾式貯蔵施設」を敷地内に設置する方針を決め、立地自治体の県、女川町、石巻市に安全協定に基づく事前協議を申し入れた。28日に原子力規制委員会に原子炉設置変更許可を申請する。

 東北電によると、女川原発で使用した核燃料の多くは原子炉建屋内の燃料プールにためている。現時点の貯蔵率は約75.1%。再稼働した場合、燃料プールの容量は4年ほどで上限に達するため、新たな貯蔵施設が必要になっていた。

 乾式貯蔵施設は、燃料プールで冷却した使用済み核燃料を金属製の容器に入れ、空気で冷やす仕組み。電気で水を循環させて冷やす燃料プールより、安全性が高いとされる。

 2棟を設置予定で、完成後の全体の貯蔵容量は現状より約8割増える。1棟目は2026年5月に着工し、28年3月の運用開始を計画。2棟目は30年8月着工、32年6月の運用開始を目指す。

 女川原発の阿部正信所長が町役場を訪問し、須田善明町長に貯蔵施設の概要などを説明した。阿部所長は「使用済み核燃料の国内外への搬出が決まるまでの施設。安全性については住民から理解が得られるように、訪問活動などでしっかり伝えていく」と述べた。

 須田町長は「貯蔵施設は他の立地市町村で先行事例があるため、安定して保管できる。燃料プールで貯蔵してきたやり方と異なるため、住民が納得し、不安に感じないよう説明に尽力してほしい」と話した。

 阿部所長は同日、石巻市役所で斎藤正美市長にも申し入れを行った。

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