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赤井官衙遺跡・発掘調査 外郭範囲は東北最大級 東松島市教委、現地で説明 材木塀や大溝跡確認

遺跡北部で見つかった材木塀跡などを紹介した説明会

 東松島市教委は25日、同市赤井の「赤井官衙(かんが)遺跡」で実施している発掘調査の説明会を現地で開いた。本年度の調査では、これまで遺跡南東部で見つかっていた材木塀跡や大溝跡が北部でも確認できた。市の関係者や一般参加者計約20人が参加し、学芸員から説明や考察を聞いた。

 市によると、材木塀跡などの外郭施設は遺跡北部では初めて発見された。過去の調査と合わせると、外郭施設で区画されている範囲は東西1キロ以上、南北700メートル以上に及び、東北最大級の城柵だという。

 市教委生涯学習課の重森直人学芸員は、材木塀跡が北部で確認できたことについて「外敵から施設を守るために造ったかもしれないが、地盤が弱い土地なので、工事のために建て、そのまま残していたのかもしれない」と語った。

 また、材木塀跡の上に915年ごろの火山灰の層があったことにも触れ「その時代よりもさらに昔からあったことが想像できる。使われた木材も縄文時代の住居に使われていた栗の木などの可能性がある」と解説した。

 遺跡は約1300年前の陸奥国牡鹿郡(現在の石巻地方)の役所「牡鹿郡家(ぐうけ)」や、軍事施設の城柵「牡鹿柵(おしかのさく)」の跡とみられている。遺跡と官人の墓所「矢本横穴」で構成される官衙遺跡群は2021年に国の史跡に指定された。

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