(837)風花や足湯に妻をおきざりに/小菅白藤(1930年~)
雪雲のない青空の下、風に吹かれて飛ぶ雪が風花です。天から降るのではなく、遠い雪嶺(せつれい)などから運ばれてくる雪ですので、空が晴れ渡っているのにどこから来た雪なのだろうと不思議な気持ちになります。ご夫婦二人で足湯につかっていたようですが、妻を置いて自分は他のところへ移動してしまいました。足湯に飽…
関連リンク
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「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。