(845)沢やがて名のある川へ雪間草/小泉展子(1946年~)
眼前の川。おそらくは1級河川だろう。福島県在住の作者だから阿武隈川かもしれない。その阿武隈川へ、阿武隈高地から支流がいくつも流れ込む。大河に流れ込む川の源流は小さく細い沢で、地元の人でもその山に詳しくなければ名前も知らないような沢なのだろう。川の合流地点の土手の雪が一部解け、合間から萌(も)え出た…
関連リンク
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- ・(840)余寒なほ不覚に踏外せし一段/山本つぼみ(1932年~)
「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。