閉じる

(847)舐(な)めてゐる飴(あめ)が化石に春の夢/吉沢美香(1999年~)

 カフカの小説「変身」は、夢から目覚めると自分の体が虫になっているという奇怪な物語。一方掲句は、春の穏やかな夢の中で、舐めていた飴が突然「化石」へと“変身”する。この化石は琥珀(こはく)ではないか。琥珀は太古の天然樹脂が化石化したもので、植物や虫が内包されているものがある。口中の化石を舐めると、春の…

関連リンク

秀句の泉

 「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。

ライブカメラ