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(849)春の水花瓶の中に曲がりけり/小野あらた(1993年~)

 冬の間は刺すようだった水の冷たさが、春になると少しずつ温(ぬる)んできます。水かさを増した小川も、家でふと触れる水もそうです。この句では花瓶の水が器の形に沿って曲がっているといいます。考えれば当たり前のことですが、私たちには見ることができません。同じように、器の中の水の冷たさが和らいでいるだろうと…

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秀句の泉

 「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。

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