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「北中ソング」歌詞板、生徒制作中 12月学習参観で披露予定 石巻・北上中

彫刻刀で板を削る生徒たち
生徒たちが文字を彫る歌詞板(手前)

 石巻市北上中(生徒44人)で合唱歌「輝(ひかり)~ふるさとを照らして~」の歌詞板制作が始まった。合唱歌は2021年度の全校生徒が音楽の時間に作詞作曲を手がけ、「北中ソング」として文化祭や卒業式、地域のイベントなどで披露している。歌詞板制作を通し、歌に込められた先輩の思いや地域への愛着を深めてもらうのが狙いだ。

 歌詞板は縦2メートル、横3メートルで、10センチ四方のシナ材を600枚削って制作する。12月の学習参観で披露予定。

 21日には、2年生16人が合唱歌制作の経緯や北上地区の暮らしと木の関係について学んだ後、実際に板を削る作業を体験した。

 音楽科の中沢麻里教諭が「学校評価アンケートで、北上に誇りを持っているという項目に否定的な意見が多かったのが曲制作のきっかけ。古里を見つめ直す機会や、愛着の創出につなげようと実施した」と紹介。「先輩が描いた北上をイメージし、自分たちの思いもプラスしながら歌い継いでほしい」と期待した。

 石巻地区森林組合の大内伸之組合長が木と生活の関わりなどについて説明したほか、地元の木工店「相内木工」の大内宏毅代表が、今回加工するシナの特徴を紹介した。

 2年の阿部智景さん(14)は「北中ソングに込められた思いや責任を感じた。先輩たちや制作に関わってくれる人たちの思いに恥じない作品を作っていきたい」と話した。

 同校は本年度に学校運営協議会(コミュニティ・スクール)が始まったことから、新年度から全校生徒に加えて地域住民も制作に参加予定。

 歌詞板の制作は石巻市の「ずっと住みたい地域づくり支援事業」の一環として、北上地区の住民自治組織「みらいパートナーズ・きたかみ」と学校運営協議会が協力して実施している。

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