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石巻高2年生3人、林業探究 担い手不足が課題 小学生向け木材加工体験会を開催

津久家さん(右)と話しながら楽しく絵付けをする子どもたち
子どもたちに、自分が絵付けしたこけしを見せながら作り方を説明する(左から)千葉さんと森さん

 石巻高(生徒601人)の本年度「総合的な探究の時間」で、林業の担い手不足の問題を考えてきた2年生グループが23日、子どもたちを対象に木材加工の体験会を開催した。参加した小学生は木工に高い関心を寄せ、生徒たちは、地元の産業を知ってもらう機会になったことを実感。進級後も継続して探究に取り組む気持ちを新たにした。

 グループ活動をした3人は森名月さん(17)、津久家実苑(つぐいみその)さん(17)、千葉みるさん(17)。この1年、木材加工業を中心に、地元の会社を訪問するなどして現状を探ったところ、担い手不足という課題が見えてきた。

 後継者を増やすためにまずは地元の木材加工業を知ってもらうことが大事と考え、1年間の学習成果を確かめる区切りとして体験会を企画。市内の子どもに声がけし、市内でオリジナルデザインの「石巻こけし」を考案・制作する林貴俊さんの協力でこけしに絵付けをしてもらった。

 会場となった同市立町1丁目の市子どもセンター「らいつ」には小学生9人が集合。林さんが考案した、こけしとケーキを掛け合わせた玩具「こけ~き」の絵付けに挑戦した。稲井小4年の木村咲良さん(10)は「楽しくて、幸せな気分になった。大人になったらこけしを作りたい」と笑顔で話した。

 体験会を終えた森さんは「課題を一緒に考える機会になって良かった」、津久家さんも「木材加工を知らない子が多かったが、絵付けをするのが夢だったと言ってくれてうれしかった」と振り返った。

 千葉さんは「伝統あるものを残すには、まず知ってもらわないといけない。(体験会が)石巻の良さを知り、街を好きになるきっかけになれば」と手応えを語った。

 同校で総合的な探究の時間の活動をしているのは1、2年生で本年度は425人。昨年4月、県東部地方振興事務所の職員から石巻地方の産業について説明を聞いた後、水産業や観光業、林業など関心のある分野を選んで探究している。新年度も活動を継続する。

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