待望のギンザケ、今季初水揚げ 質上々、高値に沸く 石巻魚市場
石巻市の石巻魚市場に28日、金華山沖の養殖ギンザケ「金華ぎん」が今季初めて入荷した。海水温の上昇による成育の遅れが影響し、昨年より25日遅い初水揚げとなったものの、1キロ当たり平均1240円の高値が付き、市場は活気に沸いた。
魚市場には午前5時ごろ、同市鮎川浜の文丸水産が養殖したギンザケ約5トンがトラックで運び込まれた。重さは平均1.5キロ。入札結果は生食用ギンザケの需要の高まりを受け、1キロ当たり1200~1315円と好調で、昨年の平均を142円上回った。
今季は高い海水温の影響で、高温に弱いとされる稚魚をいけすに入れる作業が例年より3週間ほどずれ込んだ。死滅したり稚魚が餌を十分に食べなかったりしたことも重なり、入荷が遅れた。
魚市場によると、養殖ギンザケのシーズンは例年8月上旬まで続くが、今季は海水温が高くなり過ぎる前に出荷する必要があり、6月末で終わる可能性があるという。
入札に参加した水産加工業スイシン(石巻市魚町1丁目)の阿部順哉課長は「思っていた以上に魚体の質が良かった。海水温の上昇など心配事もあるが、一日でも長く買える年になってほしい」と話した。
石巻魚市場の昨年の養殖ギンザケ水揚げ額は44億4675万円で、魚種別では2年連続トップだった。今シーズンの入荷は5000~5200トンと、昨年の5900トンを下回る見込み。
魚市場の佐々木茂樹社長は「まとまった入荷があって一安心。コウナゴの休漁など春漁が厳しい中で、ギンザケは頼みの綱だ。水揚げが安定することを願う」と期待した。
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