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災害関連死防ぐ「TKB48」 防災士や町内会が研修 避難所の衛生管理、重要 石巻

組み立てた段ボールベッドの強度を確かめる参加者

 災害関連死を防ぐ避難所環境の整備について学ぶ研修会が3月30日、石巻市の東日本大震災遺構「門脇小」であった。市内の防災士や町内会役員ら40人が衛生管理の重要性を学んだ。

 一般社団法人避難所・避難生活学会の代表理事で石巻赤十字病院副院長の植田信策氏が講師を務めた。植田氏は震災犠牲者の17%が関連死で、避難所生活での心身の疲労が健康被害をもたらしたことを説明。

 雑魚寝や栄養不足が健康に悪影響を及ぼすとし、避難所の環境改善に向けた合言葉として「トイレ・キッチン・ベッド」を48時間以内に設けるという意味の「TKB48」を参加者に紹介した。

 参加者は段ボールベッドの組み立ても体験。完成したベッドの寝心地や強度を確かめ「思ったより頑丈だ」と有用性を確認した。体験は2回目という同市大街道地区の福祉施設支援員大崎和雄さん(76)は「組み立ては難しくないが、時間がたつと忘れてしまう。繰り返しの訓練は大事だ」と話した。

 植田氏は「被災時はボランティアや行政職員に任せきりにせず、各自ができることをしてほしい。衛生の重要性を知ることもその一つだ」と述べた。

 研修会は石巻市震災遺構指定管理グループの主催。昨年度に続き2回目で、来年度も開催を予定する。

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