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女川・JR石巻線「浦宿駅」、待望の新待合所完成 スロープ整備 現地で式典

テープカットをする須田町長(中央)ら関係者

 女川町がJR石巻線浦宿駅前に整備を進めていた待合施設が完成し、記念式典が8日、現地で開かれた。従来の待合所を含む設備は老朽化が目立ち、町民などから改善を求める声が上がっていた。町は利便性の向上による地域の活性化や観光客の利用増加につながることを期待している。

 浦宿駅北側の広場約915平方メートルに、スロープが付いた木造平屋の待合所を新設。ベンチ、多目的トイレなどを備え、券売機を旧待合所から移し、ロータリーやバス停を整備した。

 工事は昨年1月に着工し、今年3月にほぼ工事が終わった。25日から待合所とトイレは先行して利用できるようになっていた。

 女川町は2018年、事業に着手。工事費は1億5900万円。当初は20年度内の完成予定だったが、工事が与える線路への影響確認や安全対策で長引いていた。

 浦宿駅は無人駅で1956年2月に開業。東日本大震災で同駅を通る石巻線も壊滅的な被害を受け、一時不通となったが、線路をかさ上げするなどして2015年3月に全線復旧した。

 地区住民や町関係者ら約40人が出席した式典で、須田善明町長は「地域の人に愛着を持ってもらえるように、これからも使いやすくなるような工夫をしていく。観光客をはじめ、多くの人に利用してもらいたい」と語った。

 駅がある浦宿一区の石森洋一区長(73)は「日中は通学する地元の高校生や石巻市内の病院に通う高齢者が多い。特に高齢者の間では車いすの人でも利用しやすくしてほしいという要望もあったので、すごく助かる」と喜んだ。

 町は5月の大型連休明けから順次、旧待合所と国道398号を挟んだ向かい側の駐輪場を撤去。7月末ごろ、駐輪場を含む全ての施設が利用できるようになる見通し。

浦宿駅の駅前広場に新築された待合所。スロープがあり高齢者が利用しやすくなった

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