(866)花見酒一気にひらく二枚貝/鈴木総史(1996年~)
お花見でバーベキュー。花見の喧騒(けんそう)と心の高揚が、「一気にひらく」に表れている。ホタテだろうか。それとも最近よく見るホンビノス貝だろうか。閉じていた貝から汁が溢(あふ)れ、ぶわっと開く。焼き加減を見るためにちびちび舐(な)めていたビールを、ここぞとばかりぐいっと飲み下す。若さと勢いに満ちた…
関連リンク
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「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。