(867)よく伸びる小犬のリード水温む/本杉純生(1943年~)
堰(せき)の水流や蛇口の水がだんだんと温かくなってくる春です。触れてみてさほど冷たくなかったという実感が「水温(ぬる)む」ですが、語感にはそこここに流れる水が春めくという空気感も含まれています。それがよく分かる句です。走り回る小犬と散歩していると、手元のリードがぐんぐんと伸びていきました。飼い主も…
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