(867)よく伸びる小犬のリード水温む/本杉純生(1943年~)
堰(せき)の水流や蛇口の水がだんだんと温かくなってくる春です。触れてみてさほど冷たくなかったという実感が「水温(ぬる)む」ですが、語感にはそこここに流れる水が春めくという空気感も含まれています。それがよく分かる句です。走り回る小犬と散歩していると、手元のリードがぐんぐんと伸びていきました。飼い主も…
関連リンク
- ・(866)花見酒一気にひらく二枚貝/鈴木総史(1996年~)
- ・(865)蠅(はえ)生れ赤子の涙吸いにくる/中村和弘(1942年~)
- ・(864)咲(さく)からに見るからに花の散(ちる)からに/上島鬼貫(1661~1738年)
- ・(863)暮淋し花の後(うしろ)の鬼瓦/本間友五(生没年不詳)
- ・(862)瀧(たき)桜落ちくるひかり子へ流す/佐怒賀 正美(1956年~)
「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。