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大川小訴訟ドキュメンタリー映画、観客2万人突破 口コミ広がる 防災の観点も

裁判所に向かう原告団 ©飯考行
語り部活動をする遺族(右) ©2022 PAO NETWORK INC.

 東日本大震災で児童74人、教職員10人が犠牲になった石巻市大川小の津波訴訟の歩みを追ったドキュメンタリー映画「『生きる』 大川小学校津波裁判を闘った人たち」の観客動員数が2万人を突破した。全国の映画館で上映され、異例のヒットとなっている。配給元は「アンコール上映も続いており、まだまだ動員数は伸びそうだ」と話している。

 2023年2月18日、東京・新宿のケイズシネマを皮切りに、フォーラム仙台、シネマスコーレ(名古屋市)など全国の50館で上映され、今年3月末に2万人を突破した。加えて学校関係や個人による自主上映の視聴者も7000人を超えた。

 上映時間は2時間4分で、毎日映画コンクールのドキュメンタリー映画賞、浦安ドキュメンタリー映画大賞を受賞している。

 映画は、遺族が撮りためた映像と遺族らへのインタビューで構成。教員で唯一生き残った教務主任が状況を説明する映像や遺族らが不信を強めた石巻市教委の事後対応、遺族らによる検証活動などを盛り込んだ。

 裁判は仙台高裁が市教委などの「平時からの組織的過失」に基づく賠償責任を認定し、確定した。

 DVD販売を予定しておらず、映画館での上映か、自主上映でしか見ることができない。自主上映は1回5万5000円(入場が100人を超える場合は一人当たり550円追加)。

 配給元「きろくびと」の担当者は「通常のドキュメンタリーは1万人動員も難しい。口コミで広まっている。防災の観点から上映されており、年間を通して引き合いがある」と話す。

 寺田和弘監督は「(悲劇の)背景、原因は何だったのか。裁判が終わった後も、賠償金が払われただけで、行政の責任が果たされているとは思えない。教訓を共有できるか社会全体が問われている」と語る。

映画『「生きる」大川小学校 津波裁判を闘った人たち』

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