東松島・鷹来の森、園内改良へ 原発事故時の退域時検査所 渋滞緩和図る
東松島市は本年度、東北電力女川原発(女川町、石巻市)の重大事故時に「避難退域時検査場所」が設置される市鷹来の森運動公園の改良工事に着手する。園内の道路を整備して検査を円滑化し、避難車両の渋滞緩和を図る。放射性物質の検査と簡易除染を受けられる車両数は、現状の1時間当たり382台から582台に増える見込み。
事故発生時、公園は屋外運動場や多目的グラウンドなど全域が検査場所になる。県や市の計画では、敷地の中央を走る園路の東側に自家用車用、西側にバス用の検査スペースを設ける。
改良工事は、避難車両の通行をスムーズにすることが目的。段差を解消するなどして園路から運動場に乗り入れられる道路を設けるほか、砂利敷きの一部駐車場を舗装する。
検査を終えた車両を迅速に避難させるため、県道大塩小野停車場線に接続する新たな出入り口も公園西部に設ける。普段は閉鎖するが、スポーツ大会など多数の来園者が予想される際には開放する予定。
工事費は2億454万円。財源は全額、県の補助金を活用する。工事は7月ごろに着手予定で、年度内に完了する見込み。利用者の少ない時間帯や時期などに実施し、影響を可能な限り抑える。
今回の工事は園内の整備に限り、公園に接続する県道大塩小野停車場線の改良は含まれない。県道は避難車両による渋滞が懸念されており、市と市議会は昨年5月、県に改良を求める要望書を提出。公園に進入する右折レーンの延長と、公園付近約800メートルの区間の2車線化を求めた。
県道路課によると、本年度は予算措置をして現状を確認するなど、より具体的な検討に着手するという。
市防災課の阿部義信課長は「園内の工事により対応可能な台数が増えるので、渋滞が少しは緩和されるのではないか。県道も整備されればなお良い」と話した。
市は本年度、公園内の屋外運動場の大規模改修も行う。7月ごろの着工を見込み、ナイター照明施設の発光ダイオード(LED)化や駐車場近くの屋外トイレ改修などを実施する。
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